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財布に使われているレザーには様々な種類があります。牛革が財布の使われる最もスタンダードな革ですが、牛革以外にも馬革、羊革、鹿革、さらにはクロコダイルやリザードなどのエキゾチックレザーと多種多様です。
そこで今回は、財布に使用されている主なレザー14種の特徴をひとつひとつ紹介していきます。どんな経年変化(エイジング)をするのかも解説していくので、革選びの参考にしてください。
レザーの種類別に特徴と経年変化を紹介!
それぞれの革には独特の特徴があります。どんな質感なのか、どんな経年変化(エイジング)を見せるのか紹介します。
牛革
財布の素材として一番多く使われているのが牛革です。ここでは牛革がどんな革なのか解説していきます。
牛革ってどんな革?
牛革は、革に加工されるときの牛の年齢や性別によって分類されます。ハラコ・カーフ・キップスキン・ステアハイド・カウハイド・ブルハイドの6つに分類され、最もメジャーなのがステアハイドです。
加工方法によっても名称が変わってきます。有名なのはブライドルレザー・ブッテーロレザー・ブエブロレザー・ミネルバボックスなどです。牛革から作られていますが、革の質感や風合いは大きく異なります。
それぞれの革の特徴を簡単に説明していきます。
◇ブライドルレザー
馬具用革として時間をかけて鞣された牛革。耐久性と強度を持たせるために何度も革の繊維にワックスを浸透させて仕上げていきます。その工程の副産物として革の表面に浮き出る白い「ブルーム」がブライドルレザーの特徴です。
ブライドルレザーの本場は英国で、英国御三家と呼ばれる三大レザーブランド「ホワイトハウスコックス」「エッティンガー」「グレンロイヤル」はいずれもブライドルレザーの製品がメインです。
英国御三家のブライドルレザーについてさらに詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
《 ブライドルレザーのブルーム 》
◇ブッテーロレザー
【ヌメ革の王様】と称されるのが、イタリア・フィレンツェの老舗タンナー「ワルピエ社」で伝統的製法によって作られているブッテーロレザーです。植物タンニン100%でなめされたヌメ革は密度が高く、薄くしてもハリや粘りが強いという特徴があります。
《 ヌメ革の王様 ブッテーロレザー》
◇ブエブロレザー
イタリアの名門タンナー「バダラッシ・カルロ社」 が雌牛の原皮を使用してバケッタ製法作っているイタリアンレザー。プエブロレザーの最大の魅力は経年変化(エイジング)がきれいに現れるところ。ザラザラした表面から滑らかで艶のある表面へと変化していきます。
《 ブエブロレザー の経年変化(エイジング)》
◇ミネルバボックス
「バダラッシ・カルロ社」が作っているイタリアンレザー。揉み加工が施されているので、革に独特のシボがあります。柔らかな触り心地なので手馴染みが良いです。
牛脚油を染み込ませたオイルレザーなので、これといったメンテナンスをしなくても使っていくうちに牛革の中の油分が表面に出てきれいな経年変化(エイジング)をしていきます。
《ミネルバボックスの経年変化(エイジング)》
馬革
革のダイヤモンドと称される「コードバン」は馬革の一種。ここでは、馬革について詳しく解説していきます。
馬革ってどんな革?
薄くて柔らかいのが馬革の特徴です。薄くて柔らかいと強度が心配に感じるかもしれませんが、牛革と同じ厚さの皮を同じ方法で鞣し、仕上げると牛革よりも強度は高いとされています。
馬革は大きく分けて臀部から取ることができるコードバンと、それ以外の部分であるホースハイドに分かれます。高級皮革として財布に使用されるのはコードバンです。コードバンで有名なのは米国のホーウィンと日本の新喜皮革の2社です。
◆HORWEEN(ホーウィン )
1905年創業、北米に現存する唯一のコードバンタンナー。ホーウィン社の高級馬革シリーズはシェルコードバンと呼ばれていて、貝(シェル)のように美しい輝きを持つことで知られています。
約8ヶ月かけて鞣された革の表面には重厚に光る艶があり、しっとりと滑らかな手触りで、使い込んでいくことでしなやかさと温もりも感じられるようになる銘革です。
◆新喜皮革
1951年創業、江戸時代から皮革産業の中心地であった姫路に拠点がある馬革専業のタンナー。ヨーロッパから原皮を仕入れ、鞣しから仕上げまでの工程を一貫生産しています。
新喜皮革のコードバンの品質は高く評価されていて、国内の革製品ブランド(ガンゾ・フジタカ・キプリス)の高価格帯のシリーズで使用されています。
《コードバンの経年変化(エイジング)》
革のダイヤモンドと称されるコードバンがどんな経年変化(エイジング)を見せるのか紹介します。
シェルコードバン2 マチ無し長財布
4年半後
シェルコードバン2 小銭入れ付き二つ折り財布
1年後
羊革
しなやかさが特徴の羊革。独特の風合いがある羊革について詳しく解説します。
羊革ってどんな革?
財布に使用される羊革は主に子羊革(ラムスキン)と雄羊革(モントーネ)の2種類があります。
◆ 子羊革(ラムスキン) の特徴
薄くてしなやかで柔らかいのがラムスキンの特徴。ふっくらとした質感と細かく整ったキメの美しさが魅力の財布に仕上がります。
◆ 雄羊革(モントーネ) の特徴
ワイルドなシボ感が感じられるのがモントーネの特徴。使い込むほどに風合いが変化していくので、経年変化を楽しむことができる革です。
鹿革
「革のカシミア」と呼ばれるしっとりとした風合いが特徴の革。鹿革の特徴について詳しく解説します。
鹿革ってどんな革?
柔らかくしっとりとした手触りから「革のカシミヤ」と呼ばれている鹿革。繊維が網目状になっているので丈夫で耐久性にも優れています。軽量でもあるので常に持ち歩く財布の素材としてぴったりです。
通気性に優れ、吸水性に富んでいるので「蒸れにくい」という特徴もあります。日本の気候にぴったりあった素材とも言えます。
山羊革(ゴートスキン)
独特のシボが特徴の山羊革(ゴートスキン)。ここでは、ゴートスキンの特徴について詳しく解説します。
山羊革ってどんな革?
山羊革(ゴートスキン)は繊維構造が緻密なため弾力性があります。また、しなやかな柔軟性と高い耐久性があり、普通に使っていれば型崩れすることもありません。
財布の素材として魅力的な条件が整っているので、ゴートスキンの独特のシボの風合いが好きな方であれば買いです。
豚革
日本ではマイナーだけど世界では人気の皮革が豚革です。ここでは、そんな豚革について詳しく解説していきます。
豚革ってどんな革?
豚革は毛穴が皮の表裏を貫通しているため非常に通気性が良い素材です。また豚の革の繊維は強靭なので、牛革より軽くて摩擦に強い丈夫な革でもあります。そして豚革は繊維がコラーゲンタンパク質でできているため、革の中で最も肌馴染みが良いともいわれています。
日本では人気がない革ではありますが、ヨーロッパでは鞄の素材として豚革は理想的だとされていてエルメスやグッチでも昔から使われています。
鰐革(クロコダイル)
「革の宝石」「エキゾチックレザーの王様」と呼ばれ世界中で愛されているのが鰐革(クロコダイル)です。クロコダイルの特徴について詳しく解説します。
鰐革ってどんな革?
四角形にそろった鱗が整然と並ぶ美しさが特徴の革。クロコダイルの型押しをしている牛革の財布もあるほどクロコダイルのパターンは財布の柄として人気があります。
本物のクロコダイルを使った財布は使うほどに独特の光沢が増していくので、経年変化(エイジング)を楽しむことができます。丈夫な革ですが水には弱いので注意が必要です。
《 マットクロコダイルの経年変化(エイジング) 》
ナイルクロコダイル ブラック
左上:1年間使用 右下:新品
新品と1年間使用した財布を比較すると、使っている財布のほうが色に深みが出て光沢も増しているということが分かります。自然の艶が増すと高級感も一段階アップする感じです。
蜥蜴革(リザード)
クロコダイルの次に人気が高いエキゾチックレザー。リザードの特徴について詳しく解説します。
蜥蜴革ってどんな革?
リザードは美しい発色と薄いけど丈夫なのが魅力の革。クロコダイルと比べてウロコ模様が細かく繊細なので上品な雰囲気があります。革として使えるリザードの種類は多いので、斑紋のパターンも様々で個性の違いを楽しむことができます。
蛇革(パイソン)
個性的な斑紋や鱗模様が特徴の蛇革。ここでは蛇革の特徴について詳しく解説します。
蛇革ってどんな革?
蛇革は、クロコダイルやリザードといった爬虫類素材の中でもファッション性が高い素材です。財布に使われる蛇革はBelly Cut Type(腹部をカット)とBack Cut Type(背中部分をカット)の2種類があります。
横長のウロコ部分があるのがBack Cut Type で、財布のセンターに使われることが多いです。蛇革もリザードと蛇の同じく種類によって鱗や斑紋が異なり、それぞれに味があります。
駝鳥革(オーストリッチ)
エキゾチックレザーの代表格のひとつとされているのがオーストリッチです。ここでは、オーストリッチについて詳しく解説していきます。
駝鳥革ってどんな革?
駝鳥(ダチョウ)から取られるオーストリッチはエキゾチックレザーの代表格のひとつ。最大の特徴は羽軸跡のドット (クイルマーク)です。
希少価値の高さと独特の模様から高級皮革として古くから知られています。オーストリッチは柔らかく軽い素材でありながら、丈夫で耐久性が高いというのが特徴です。
オーストリッチは経年変化(エイジング)も美しく、使い込んでいくとドットがつぶれて色味が濃くなり、ツヤも出てきて手触りが滑らかになってきます。手触りが良く、柄も美しく、きれいな発色を見せてくれる財布の素材としての魅力がたくさんある革です。
鮫革(シャーク)
海のエキゾチックレザーの代表格が鮫革(シャーク)。ここでは鮫革について詳しく紹介します。
鮫革ってどんな革?
鮫の皮は筋繊維が密集しているので、しなやかでありつつ丈夫です。傷に強く水にも強いのでかなりラフに使っても問題ありません。独特のシボの美しさと高い堅牢性が目を惹く鮫革ですが、意外と見た目に反して柔らかな手触りをしています。
国内のエキゾチックレザー専門の革製品店で取り扱っている鮫革は、ほとんどが世界最高品質と評される宮城県気仙沼のヨシキリザメのものです。なので、鮫革は日本を代表するエキゾチックレザーといっても過言ではありません。
エイ革(スティングレイ)
ラッキーフィッシュ(幸福の魚)と呼ばれているエイ。ここでは、そんなエイの革について解説していきます。
エイ革ってどんな革?
エイ革は、動物性とミネラル性の成分を併せ持っている珍しい素材です。独特な成分構造をしているため、100年間の使用にも耐えられるほど耐久性と強度があります。
表面はガラスビーズを散りばめたような小さな鱗が美しく、手触りはひんやりとした感触です。白く染められたスターマークがエイ革のアクセントになっています。
象革(エレファント)
ワシントン条約で取引が厳しく規制されている象革(エレファント)は、希少性が非常に高い素材のひとつです。ここでは、そんな象革について詳しく解説していきます。
象革ってどんな革?
象革は耐久性が非常に優れていて、使いこむほどに味わいが出てきて上品な艶が現れてきます。そして、見た目からは想像できないほどしっとりとした肌触りで、手にしっかりと馴染みます。
駱駝(ラクダ)革
アンティークな風合いを醸し出している駱駝(ラクダ)革。ここでは、皮革としてマイナーな駱駝革について詳しく解説していきます。
駱駝革ってどんな革?
砂漠地帯で育ったラクダの革は、牛革と比べて耐久性が約2倍以上あると言われています。その強さゆえにスキーグローブやバッティンググローブなど様々なグローブの素材として使われています。
とても柔らかく、しなやかなラクダの革は、採取量がわずかなので希少価値の高い革でもあります。朝晩の温度差が大きい裁く地帯で育ったラクダは革にハリがあり、特にメンテナンスをしなくても革が傷むということはありません。
レザー別のおすすめ財布
レザー別におすすめの財布をピックアップしてみました。気になる財布があればチェックしてください。
牛革のおすすめ財布
キプリス
二つ折り財布(小銭入れ付き札入) ブライドルレザー&ルーガショルダー
sot
ミネルバボックスレザー 長財布
sot
プエブロレザー ラウンドファスナー 長財布
sot
ブッテーロレザー ラウンドファスナー 長財布
馬革のおすすめ財布
キプリス
【ナチュラルコードバン】
二つ折り財布(小銭入れ付き札入) ナチュラルコードバン
キプリス
【ホーウィンシェルコードバン】
長財布(小銭入れ付き通しマチ束入) ホーウィンシェルコードバン
羊革のおすすめ財布
キプリス
二つ折り財布(小銭入れ付き札入) テルヌーラ
鹿革のおすすめ財布
キプリス
長財布(小銭入れ付き通しマチ束入) ディアスキンⅡ
山羊革のおすすめ財布
キプリス
二つ折り財布(小銭入れ付き札入) グリッターゴート
豚革のおすすめ財布
鰐革のおすすめ財布
東京クロコダイル
【ナイルクロコダイル】
ナイルクロコダイルマット無双長財布小銭入れ有り
池田工芸
【スモールクロコダイル】
クロコダイル ミリオンウォレット
CYPRIS COLLECTION
【マットクロコダイル】
長財布(通しマチ束入) マットクロコダイル
GANZO
【スモールクロコダイル】
SMALL CROCO (スモールクロコ)長財布
蜥蜴革のおすすめ財布
東京クロコダイル
リザードマットラウンド長財布
PELLE MORBIDA
Barca / Zip Wallet(Large) -RING LIZARD
CYPRIS COLLECTION
長財布(小銭入れ付き通しマチ束入) リザード
GANZO
LIZARD6 (リザード6) ファスナー小銭入れ付き長財布
蛇革のおすすめ財布
東京クロコダイル
ダイヤモンドパイソンラウンドファスナー長財布
駝鳥革のおすすめ財布
鮫革のおすすめ財布
GANZO
KESEMA (ケセマ) 小銭入れ付き二つ折り財布
KUBERA 9981
ラウンドジップウォレット【シャーク(鮫革)
エイ革のおすすめ財布
アトリエ アクナス
二つ折り財布
象革のおすすめ財布
東京クロコダイル
エレファントラウンドファスナー長財布
駱駝革のおすすめ財布
Snobbist
駱駝革二つ折りウォレット
まとめ
革財布に使われる素材には魅力的な革が数多くあり、それぞれの革の特徴を知っておくと革財布選びの際に役立ちます。経年変化(エイジング)を楽しむということを考えて選ぶのもアリですし、形状が変わらない素材で選ぶのも良いでしょう。この記事が好みの素材に出会えうきっかけになれば幸いです。
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